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桑原・稲荷山地区方言集

巻頭言
 血につながるふるさと、心につながるふるさと、言葉につながるふるさと  藤村

 言葉につながるふるさと 本当に我等が日常話す言葉の内に何かしらふるさとの血に、心につながるものがある。
 その尤も親しまれるものに方言がある。昔ながらの方言もだんだん姿を薄くしてきて、やがては消えて行くことで あろう。昭和39年桑原・稲荷山地域に住む先輩達が編集した方言集を元にして示します。ご愛読願います。

まえがき
 一体言葉の成立には、それを使用する人々の生活が結びついている。方言も勝手気ままにつくられたものではなく、 地域の人々の生活より生まれ、そして育ったものである。故に方言の研究により地域の生活史を知る一助ともなり得 るし、又それを使った人たちの情意知性というようなものも知ることが出来るものである。
 吾々の祖先ー勿論名もない民衆は、様々な遺産を残してこの世を去っていった。これらの中にあって方言も残され た大事なものの一つ。而も生まな貴重な文献である。オコマリグサ(ノミノフスマ)と言えば、あの北風寒い初春の 麦田の草取りの始末のわるさがにじんでいるし、オヨウタケ(ショウゲンジタケ)と言えば、およう婆さんが戦後の 食糧不足の際、思いきって試食してくれたのが初まりで誰言うとなくオヨウタケの方言を生んでしまったもの。桔梗 といっては何の曲もないがボンバナの方言は、いかにもあの紫のしっとりと落ちつきのある花は魂祭るお盆にふさわ しいおもむきを持つ。
 これらは方言が生活史を知る一助となるといった例であり、又情意知性を知ることができるといった一・二の例で もあるのである。然しこの方言集は方言の研究ではない。その名の如くただ方言を集めたもの。研究の材料をありの ままにあつめ並列したものに過ぎないもので、その研究に至っては他にゆずるべきものである。
 今や方言は亡びつつある、といっては大ゲサかも知れないが、忘れんとしつつある、とは言える。今回、長生会で 集められた方言の数々を処理しつついく間に、昔なじみに出くわして、魂の故郷に帰った懐かしさを覚えたが、それ とともに、かかる方言を拾い集めることこそ、年とっているものの適任であることを思い、長生会の企ての適材であ り適所であることを感じた次第で、かかる文化遺産を残すことに敬意を表する次第である。
あ行へ 》

あ行 か行 さ行 た行 な行 は行 ま行 や行 ら行 わ行


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